都市ガスの知識

都市ガスとオール電化を比較。料金やメリットやデメリットとは

2016/10/29

オール電化

「新築を購入する予定だけど都市ガスとオール電化はどっちが料金が安くなるだろう?」

「都市ガスのメリットとオール電化のメリットの違いって何?」

「都市ガスやオール電化の初期費用って高いの?」

なんてあなたは思っていませんか?

都市ガスとオール電化、どちらも料金コストが安くエネルギーの構成比も年々高くなっている2つのエネルギーですが、はたしてどちらがお得なのでしょうか?
料金や初期投資費用、メリットやデメリットを比較してどちらがお得なのか徹底検証してみましたので、ご紹介しましょう。

そもそも都市ガスって何?

都市ガス

都市ガスは主原料すべてに天然ガスを使用しているガスで、硫黄分などの不純物を含まず燃料しても二酸化炭素や窒素酸化物の排出量もごく少量というクリーンなエネルギーです。
ガスの性質が空気よりも軽いために、万が一ガス漏れが発生しても換気口から排出されやすいので、重大事故も起きにくく、成分に一酸化炭素を含まないので生ガスでの中毒の危険はありません。
現在都市ガスは、国の許認可料金とされている事から公共料金の1つとなっていますが、2017年4月からいよいよ都市ガス小売自由化がスタートすることになり、価格競争によって料金が今よりも割安になる事が期待されています。
都市ガスの事業者は、大手の東京・大阪・東邦などをはじめ、全国にはおよそ大小合わせて200社を越えるガス事業者があります。

都市ガスのメリット

都市ガスのメリットとしては、同じガスで比較するとLPガスに比べたときの料金はおよそ半分程度で、地域によっては3分の1ほどの料金で使用できることもあります。
元々LPガスはボンベ容器に入ったガスを配送業者が運搬し、保守点検から交換まで行うために余計な人件費が掛かりますが、都市ガスは供給拠点から直接ガス導管によって供給されています。
また都市ガスは公共料金のために国から料金は常に監視されていますが、LPガスは自由価格のために、事業者間では料金が大きく変わるために、都市ガスはLPガスよりもかなり料金が安くなります。
ボンベを使用せずに直接家庭内にガス導管から供給されるために、ボンベの設置スペースが必要なく、巨大なボンベで場所をとられることが無いこともメリットのひとつです。
さらにLPガスは空気よりも重い性質があるために、万が一ガス漏れが起こったときには自由大事故につながる危険がありますが、都市ガスは空気よりも軽く、ガス漏れが発生しても換気されやすいために安全性に優れています。

都市ガスのデメリット

都市ガスのデメリットとしては、地中に埋設されている本管から住宅までにガス導管の引込工事が必要となるために、条件が悪いと初期工事費用に何十万もの費用が掛かってしまう事があります。
また大規模災害時などで毎回問題視されているように、極めて復旧の早いLPガスや電柱から供給している電気もまた比較的復旧が早いですが、都市ガスの場合地下埋設された本管が損傷すると、復旧にかなりの時間を要してしまいます。
ガスの種類もLPガスは1種類に対して、都市ガスは13Aのガスに統一が進んではいますが、未だに何種類のガスが使用されているために、ガスの種類が地域での機器の使用ができません。
そのためわざわざ機器を買い替える必要が出てくることがあり、利用者にとっては大きなデメリットとなります。

そもそもオール電化って何?

オール電化

オール電化とは、住宅内で使用する給湯・調理・空調などのエネルギーのすべてを電気を使用する事で賄えるシステムのことを言います。
給湯についてはエコキュートや電気温水器、調理についてはIHクッキングヒーター、空調についてはエアコン・蓄熱式暖房・床暖房などがあります。
現在オール電化は年々普及率が上昇し続けていて、2020年度のオール電化の普及率予測では、19.6%と予想されていて、およそ5件に1件の割合でオール電化住宅となると見られています。
全国の普及率を地域別に見ていくと、料金の安い都市ガスが普及している東京や大阪などの大都市部では、経済的効果があまりないために余り普及率は高くありません。
逆に料金の安い都市ガスがあまり普及していなく、料金の高いLPガスが主流になっている北陸や四国などでは、経済的メリットが高いオール電化の普及率が高いというデータがあります。

オール電化のメリット

オール電化のメリットとしては、電気だけですべての光熱費が賄えることになるので、ガス料金や灯油代などの燃料費がかからなくなり、光熱費を一元化できます。
またガスや灯油を燃料とする機器はすべて火を使いますが、電気の場合は給湯器・コンロ・暖房機などすべての機器において直火を使用する事はありません。
そのために、特に危険と言われているガスコンロ使用時の火の消し忘れや、衣類の袖などへの引火の危険などは電気の場合はほとんどなく、火災に対しての安全性が高いと言えます。
またIHクッキングヒーターとガスコンロを比較すると、IHクッキングヒーターは加熱部がフラットに出来ているので調理後の清掃がいたって簡単にできて、直火で無いので油の飛びはねも少なくて済みます。
給湯器に目を向けると、エコキュートや電気温水器の貯湯タンクには400Lほどの水やお湯が蓄えられているので、万が一の災害時には手洗い・入浴・トイレなどでの使用が可能になります。
電力会社との契約プランには、オール電化に対応した夜間の電気料金がかなり安くなるプランがあり、うまく活用できると、電気料金が大幅に節約することが可能です。

オール電化のデメリット

オール電化のデメリットとして以前よりよく取り上げられる事に、災害時など長期間停電になると何も出来なくなってしまうと言うことがあります。
電気が止まればテレビや冷蔵庫が使えなくなるのはもちろん、給湯や調理も出来なくなりますが、もしガスが使えていれば調理やガス炊飯器などでご飯を炊いたりもできます。
給湯器に関しては、ガスや石油の給湯器は瞬時にお湯を作り出す方式なので問題はありませんが、電気を利用するエコキュートや電気温水器は、必要以上の量のお湯を使用すると湯切れする危険があります。
もちろん追加でお湯を作ることは出来ますが、元々夜間の安い料金でお湯を沸かしているので、湯切れした場合は昼間の高い電気料金の時に、お湯を沸かすことになり経済的とは言えなくなります。
また給湯器を設置するに当たり、大型の貯湯タンクを設置スペースが必要となり、場所の狭いマンションなどでは、設置スペースは大きな障害となってしまいます。
IHクッキングヒーターに関しては、使用時に強い電磁波を発生するためにペースメーカーがリセットとされたという事例があるようで、健康への心配があります。

都市ガスとオール電化の料金比較

お金

都市ガスとオール電化、比較するためにはいくつかの要素があります。
まずはそれぞれの機器を揃えるに当たっての初期投資がどのくらい必要か、また実際に使用した時にかかるコストはどのくらい違うのか、この2点は選択するに当たって大きな判断材料になります。
どちらを選択するか迷っている方のために、この2点について検証したデータについてご紹介しましょう。

都市ガスとオール電化の初期投資比較

都市ガスとオール電化の初期投資を比較した場合、それぞれの機器にも様々なタイプが発売されているので、4人家族で使用することを想定したコンロと給湯器の2点を購入した場合を比較してみます。
都市ガスの場合、ビルトインタイプのガラストップガスコンロなら取付工事も入れておよそ12万円ほど、これに給湯器は潜熱回収型オートタイプ24号クラスで工事費含めおよそ25万ほどなので、コンロと合わせると総額で37万円ほどの初期投資となります。
一方のオール電の場合、ビルトイン型のIHクッキングヒーターは取付費含めおよそ20万円ほど、給湯器のエコキュートは370Lのフルオートタイプで工事費含め60万円ほどとなり、総額では80万円ほどの費用が掛かります。
こちらの料金にはガスの場合はガス導管の引込工事料、オール電化の場合の電気工事料金は含まれていませんが、機器代金だけの比較で言うと都市の方が初期投資は安く済むようですね。

都市ガスとオール電化のランニングコスト比較

都市ガスとオール電化のランニングコストを比較してみると、ガスと電気ではエネルギーを表す単位が違う為に、わかりやすいように電気での熱エネルギーの単位のkWhで統一してコストを比較してみました。
都市ガスの場合の1kWh当たりのエネルギーコストとしては21.2円、オール電化の昼の時間帯の場合の1kWh当たりのエネルギーコストとしては31.6円、オール電化の夜の時間帯の場合の1kWh当たりのエネルギーコストとしては12.2円となります。
オール電化はIHクッキングヒーターやエアコンなどの利用は、昼の時間帯の高いコストでの利用になりますが、エコキュートや蓄熱式暖房機などは夜の安い時間帯での単価となります。
都市ガスの場合には時間帯は関係なくコストは均一になるので、どちらかのコストが安くなるかは昼と夜との使用する割合にも違ってくるようです。
共稼ぎなどで日中はほとんど不在で、夜型の生活が主流の家庭ではオール電化の方がお得と言えるし、逆に家族が多く日中も電気を多く使用する家庭なら、都市ガスの方がコストは安いと言えるようです。

都市ガスからオール電化に変える場合の費用は

オール電化

都市ガスからオール電化に変えるためには、まず今まで使用していた都市ガス用の機器のすべて使えなくなるために、オール電化対応の機器に買い替えなければなりません。
そのため初期投資比較のところでご紹介したように、エコキュートとIHクッキングヒーターの機器代金がおよそ80万円ほどかかります。
オール電化にするために、現在の契約している電力会社の容量では足りなくなる可能性が高いために、アンペア変更の手続きやエコキュートとIHクッキングヒーターへの電気工事の費用が掛かります。
住宅が古く単相200Vが設備されていない場合は、電源をまずは単相3線式の設備に変更する必要もあり、オール電化の電気工事費用については5万円から30万円くらいまでの開きが出てくるために、あらかじめ電気工事店に相談してみると良いでしょう。

オール電化から都市ガスに変更する場合の費用は

お金

オール電化から都市ガスに変更するための費用は、まずは機器代金として初期投資比較でご紹介したようにガス機器合計でおよそ37万円ほどの費用が掛かります。
しかし実は都市ガスの場合、機器代金の他に住宅に引き込むガスの本管からガス導管の工事費用が、かなりの費用負担になる可能性があります。
本管は地下に埋設されているために、住宅につなぎ込むガス導管を土を掘り起こして配管する必要があり、現場の状況によってはコンクリートやアスファルトなどを掘削する必要があったりと、費用がかさむことも予想されます。
契約する前に都市ガス会社によく費用について相談した上で、十分にメリットがあると判断できてから契約するように心がけておきましょう。

まとめ

都市ガスとオール電化、来年の4月にはどちら小売自由化され、料金も各社競争が激しくなって安くなる事が予想されています。
どちらも料金の安さには魅力があるエネルギーなので年々普及率も高まっていますが、共になかなかわかりにくい部分も多くあるために、踏み切れない方も多いようです。
どちらもお得なエネルギーの都市ガスとオール電化だけに、今回ご紹介した内容を参考にして導入を検討してみてはいかがでしょうか。

-都市ガスの知識
-, , ,