都市ガスの知識

都市ガスとプロパンガスの料金の平均相場|一人暮らしなどの世帯別も紹介

2016/12/18

都市ガス

「うちのガス料金が高いんだけど平均ってどのくらいなの?」

「一人暮らしなんだけどガス料金はどのくらい払うもんなの?」

「ガス料金が安くなる方法は無いのかな?」

なんてあなたは思っていませんか?
ガス料金が高くて家計を圧迫している家庭も少なくありません。
しかもガス料金の平均相場も知らずにその額が当たり前だと思い毎月支払っている人も多いと思います。
私がそうでした。
だからこそ、今回はガス料金の相場を調べてみました。
是非、ガス料金の節約に役立ててみてくださいね。

ガス料金の平均相場を知ってる?

ガス

都市ガスとLPガスの料金の相場や平均ってどのくらいかご存知でしょうか?
都市ガスは安くてLPガスは高いくらいは知ってる人も多いですが、料金の平均や世帯別の金額までは、なかなか知ってる人は少ないようです。
2017年の4月に迫った都市ガス自由化ですが、関連してLPガスの乗り換えの動きも業界を上げて活発になっています。
そんなこともあって世間の注目を集めているガス業界ですが、今後の乗り換えを検討するにあって参考になるように料金の平均や世帯別の料金についてご紹介しましょう。

都市ガスとLPガスの料金

都市ガスは現在、料金を値上げするには経済産業大臣の許可が必要な公共料金となっていて、電力自由化前の電気料金と同じく、総括原価方式を採用しています。
総括原価方式とはガスを製造・供給するために必要な費用と、消費者が支払う料金の収入が等しくなるように定められています。
そのため、都市ガス料金は多少の違いはあれど、地域や事業者によって大きく料金が違うことがないのが特徴です。
それぞれの地域では、販売の権利を独占している都市ガス事業者ですが、販売する料金については国の規制を受けているんですね。
一方のLPガスは、現在は料金や販売エリア共に事業者が自由に決める事が出来る状況です。
そのため料金は各事業者が勝手に決めることが出来るので、地域によってはかなりの差が出ているところもあります。
また都市ガスは導管から直接各家庭へガスを供給するのに対して、LPガスはガスが入ったボンベを各家庭まで配送し、定期的な交換も必要なために人件費がかかります。
この人件費が料金へ上乗せされている事もあって、都市ガスよりもLPガスの料金はおよそ1.5~2倍の料金と言われています。

都市ガスとプロパンガスの料金比較。費用以外の違いは何?

基本料金と従量料金って何?

ガスの料金は、都市ガス・LPガス共に基本料金+従量料金(毎月の使用量×従量単価)=毎月のガス料金という計算方法が採用されています。
この中の基本料金は、ガスメーター・ガスボンベ・供給配管・供給設備などの保安・点検・設備維持費用や事務手数料などの為にかかる毎月一定に定められている料金のことを言います。
従量料金は、実際にその月に使用した分に応じてかかる料金のことで、この料金についてはガスの原料価格や為替の変動などによって単価が常に変動しています。
都市ガスの場合は、大手ガス会社など毎月の従量料金の単価をWEB上で公開しているので、非常に明確にされています。
一方のLPガスの場合も従量料金の単価は変動していますが、元々が都市ガスのように料金設定に国の規制を受けているわけでは無いために、事業者が自分の都合の良いように決めることが出来ます。
そのために、料金明細にもあえて基本料金や従量単価を載せずに、使用量と請求金額だけを記載した請求書を発行している事業者が多いです。

基本料金と従量料金の相場とは

都市ガス

それでは基本料金と従量料金の相場について解説していきます。

・都市ガスの相場

都市ガスの相場として、東京・大阪・東邦の3つの大手都市ガス会社の基本料金と従量料金をご紹介しましょう。
東京ガスの場合、1ヶ月のガス使用量が20m3をこえ80m3までの料金は、基本料金が1,036円80銭で従量料金の1㎥の単価が115円22銭となっています。
大阪ガスの場合、1ヶ月のガス使用量が20m3をこえ50m3までの料金は、基本料金が1,337円40銭で従量料金の1㎥の単価が124円35銭となっています。
東邦ガスの場合、1ヶ月のガス使用量が20m3をこえ50m3までの料金は、基本料金が1,560円00銭で従量料金の1㎥の単価が130円35銭となっています。
大手ガス会社の料金はこのような価格となっていますが、他の都市ガス会社の料金も公共料金ゆえに、多少のちがいがあっても、大きく違うことは無いように設定されています。
そのため、相場として考えるとこの当たりの料金と言うことになるでしょう。

・プロパンガスの相場

都市ガスは公共料金のために、現在の料金が知りたければWEBを見ればすぐに確認できますが、LPガスの場合は、大抵の事業者は請求書に使用量と請求額のみを記載しています。
これは相場よりも高いと思われないようにするためで、良心的な事業者はしっかりと基本料金も従量料金の単価も記載しています。
でも多くの事業者は記載していないために、LPガスの場合は非常に相場がわかりにくくなっているのが実情です。
WEB上で公開されているLPガスの適正価格などによると、関東地区では1㎥の単価が280~350円程度に紹介されていますが、実際にこの料金ではかなり安い価格と言えます。
実際には1㎥の単価は350~450円程度が相場と考えられます。
しかし、この単価も一番安いと考えられる関東地区の話で、他の地区よりも輸送コストの掛かる九州・東北・北海道などの地区では、1㎥の単価は600円前後と言われています。
いずれにしてもLPガスは元々料金が自由設定でき、基準となる価格も定まっていないために、相場を見極めるのが非常に難しくなっています。
より安い価格を希望するならば、料金比較サイトを利用したり何社かから見積もりをとるなどして見るのが良いでしょう。

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地域によってガス料金って違うの?

都市ガス

都市ガスやLPガスの原料のほとんどは海外からの輸入に頼っています。
そのため外国から輸入された燃料は一旦貯蔵タンクに移され、そこから都市ガスはガス導管を使用して供給され、LPガスは中継基地や充てん所を経由して各家庭まで運搬し、供給されています。
このような流通経路を経て供給されているために、地方に行くほど輸送コストが掛かってしまい、地域によって料金の差が大きくなります。
都市ガス・LPガスともに関東地区や関西地区などの都市部では料金が安く、九州・東北・北海道など地方に行くほど高くなる傾向があります。
それでも都市ガスは公共料金なので地域によっての格差は少ないですが、LPガスの場合地方によっては、都市部の価格の3倍近い料金単価になっているところもある様です。

ガス料金の高い月は何月?

ガス料金が高い月っていつなのかご存知でしょうか?
ガス料金の占める割合が大きいのはなんと言っても家庭内にお湯を給湯するガス給湯器です。
給湯器は洗面や手洗い、洗い物程度であればそれほどではありませんが、お風呂の給湯や追い炊きなどに使用する時には、たくさんのガスを使用する事になります。
気温が下がる冬の時期は当然水の温度も下がり、温度を上げるためにより多くのガスを使用する事になるので、冬期間のガス料金は夏と比較すると2倍以上になると言われています。
冬の場合は水温が5℃くらいまで下がり、逆に夏は29℃くらいまで上がるので、どちらも42℃のお湯を作るためには夏は+13℃ですが、冬は+37℃にもなり、そのために冬は夏の3倍ものエネルギーを消費します。
そう考えると、ガスの高い月は1年の中でもより気温が下がる1月から2月あたりの料金が一番高くなります。

ガス料金の安い月は何月?

ガス料金が高い月は冬期間の1月から2月にかけてということはわかりましたが、それでは逆にガス料金の安い月は何月なのでしょうか?
やはりガス料金の占める割合が高い給湯器の使用状況が関係するため、当然ながら気温の高い夏が一番安い期間という事になります。
特に7月~8月あたりの真夏になると、湯船にお湯を張らずにシャワーだけで済ませる方も多くなる事もあって、一年の中では一番ガス料金が安い月と言うことになります。

世帯別のガス料金の平均

都市ガス

続いては世帯別のガス料金の平均をまとめてみました。
地域によってなどばらつきがありますが、ガス料金の目安にしてください。

一人暮らし

まずは一人暮らしのガス料金の平均になります。

・都市ガス

都市ガスの場合における1人暮らしのガス料金の平均は、総務省家計調査によると春(4月~6月)は3,468円、夏(7月~9月)は2,428円、秋(10月~12月)は2,813円、冬(1月~3月)は4,155円となっています。
この数字に基づいて計算すると、一年間の平均のガス料金は一人暮らしの場合は、月々3,216円となります。
1人暮らしの場合だと、どうしても入浴するためのコストの負担が多いため、特に夏と冬の料金の差が大きくなってしまいますね。

・LPガス

LPガスの場合、都市ガスと違い自由価格のため、正確な数字を表す資料がありません。
そのため都市ガスの料金の平均額に1.5倍にした料金で計算してみると、春(4月~6月)は5,202円、夏(7月~9月)は3,642円、秋(10月~12月)は4,219円、冬(1月~3月)は6,232円となっています。
1人暮らしの場合、光熱費を節約するために冬でもシャワーの利用で済ませる人もいるようで、湯船のお湯を追い炊きするかどうかでも、かなり料金は変わってくるようですね。

二人暮らし

都市ガス

続いては二人暮らしのガス料金の平均になります。

・都市ガス

都市ガスの場合での二人暮らしのガス料金の平均はどのようになっているのでしょうか?
こちらも総務省家計調査によると春(4月~6月)は7,500円~8,500円、夏(7月~9月)は4,500円~5,500円、秋(10月~12月)は5,500円~6,500円、冬(1月~3月)は10,500円~11,500円となっています。
年間の平均額としては、約7500円となり、一人暮らしの平均と比べても2倍以上となっていて、夏と冬を比べてもやはりその差は2倍以上となっているようです。
どこの家庭も冬場に多くのガス料金が掛かっているのは同じなようですね。

・LPガス

LPガスでの2人暮らしの場合のガス料金の平均としては、春(4月~6月)は11,250円~12,750円、夏(7月~9月)は6,750円~8,250円、秋(10月~12月)は8,250円~9,750円、冬(1月~3月)は15,750円~17,250円とされています。
2人暮らしの世帯の場合で見てもやはり冬期間の料金は高くなっていて、地域格差が大きいところだと冬は25,000円を超える程度の料金となっているところもある様です。

四人暮らし

都市ガス

続いては四人暮らしのガス料金の平均になります。

・都市ガス

都市ガスにおいての、夫婦2人と子ども2人の4人暮らしの場合での、ガス料金の平均額をご紹介します。
総務省家計調査によると春(4月~6月)は15,000円~17,000円、夏(7月~9月)は9,000円~11,000円、秋(10月~12月)は11,000円~13,000円、冬(1月~3月)は21,000円~23,000円となっています。
ご覧頂いたように、4人暮らしともなると平均でも冬の期間の料金は2万円以上となり、さらに家族の人数が多い世帯となると、さらに負担は増すことになります。

・LPガス

4人暮らしでのLPガスの使用の平均額は、春(4月~6月)は22,500円~25,500円、夏(7月~9月)は13,500円~16,500円、秋(10月~12月)は16,500円~19,500円、冬(1月~3月)は31,500円~34,500円となっています。
LPガスの場合は、事業者や地域によっての料金の格差も大きく、さらに多くの負担をしている家庭もある訳です。
LPガスは料金が都市ガスよりも高い事は消費者も知っているので、高い料金の地域でははじめから給湯器はガスでは無く灯油を使う給湯器が多く使用されています。
そのため、世帯数の多い家庭やLPガス料金が高い地域では、灯油式給湯器を利用しているために、実際の平均的な料金はこれほど高くは無いと思われます。
ただ、アパートなどのようにすでに給湯器が設備されているところの場合、LPガスが高くてもその設備を使用続けることとなり、冬のガス料金にびっくりするような事が発生してしまいます。

ガス料金が高い場合には乗り換えで安くなる可能性あり

プロパンガス

世帯別のガス料金の平均について記載してきました。
それではガス料金の平均より高い場合は乗り換えをすることによりガス料金が安くなる場合があります。
ガス会社の乗り変えについて記載します。

プロパンガス(LPガス)から都市ガスへ乗り換え

LPガスの金額は、一般的に見て都市ガスの1.5倍~2倍高いと言われているだけに、もしLPガスから都市ガスへ乗り換えした場合には、十分にガス料金が安くなる可能性があります。
特にLPガスの場合、料金が地域や事業者によっての価格差が大きいだけに、よく比較検討してみると今の料金が元々高めなら、料金を3分の1以下にすることも可能になるでしょう
しかし注意点としては、都市ガスは住宅にガス導管が接続されていない場合は、近くの導管から住宅までの接続工事が必要となります。
工事費用は原則契約者負担となるので、場所によってはその工事費用が何十万円も掛かってしまうこともあります。
料金が安くなるからと安易に都市ガスの申込みをしてから、高額な工事費用に困惑することが無いように、よく事前に確認してから申込みをするように注意しましょう。

プロパンガス(LPガス)からプロパンガス(LPガス)へ乗り換え

LPガスからLPガスガスへの乗り換え、実はこの方法が一番初期費用も掛からずお得になる可能性が高い方法なんです。
例えば東京都内で、現在1㎥の単価450円で契約している事業者を、最安値の280円の事業者と契約したとします。
月々20㎥の使用で、従量料金が今までは9,000円だったところが5,600円とひと月で3,400円も安くなり、年間では40,800円もお得になります。
工事費用についても、都市ガスのように高額になることは無く、既存設備がそのまま使用できれば、まったく初期費用は掛からずに乗り換えも可能です。

プロパンガスからプロパンガスへの乗り換えは、エネピで一括見積が一番簡単になります。
1分で見積もりが終わりますので一度試してみるといいでしょう。

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都市ガスから都市ガスへ乗り換え

都市ガスから都市ガスへ乗り換え、こちらは現時点ではまだ法律的に都市ガスの事業者は決められた地域にしか販売できないルールになっているために出来ません。
2017年4月からは、いよいよ都市ガスの小売が自由化されることになり、そうなれば都市ガスから都市ガスといった今よりもガス料金が安い事業者に乗り換えすることが可能になります。
今までは以前の電力会社と同じように、公共料金と言うこともあってお堅いイメージがありましたが、これからは自由化されることで事業者間での競争も激しくなる予想されます。
そうなれば、顧客獲得のために少しでも料金を安く提供してくる事業者も増え、お堅いイメージを払拭させるようなお得なプランやポイントサービス等の提供も行われていくでしょう。
そういった意味でも都市ガスから都市ガスへの乗り換えもまた、大変オススメな方法と言えます。

都市ガス自由化とは?メリットデメリットをわかりやすく徹底解説

乗り換えをする時の注意点

都市ガス

ガス料金が高いからと言って安易に乗り換えをすると高くつく場合があります。
乗り変えの注意点について解説します。

乗り換えをすると機器を買い替えるの?

LPガスからLPガスへの乗り換えの場合は、ガスの種類が同じなのでガス機器を買い替える必要はありません。
しかしLPガスから都市ガス、または都市ガスからLPガスに乗り換える場合は、当然ながらガスの種類が違うために、ガス機器を交換する必要があります。
一番注意が必要なのが都市ガスから都市ガスに乗り換えた場合で、都市ガスには7グループ13種類のガスがあるために、その種類が一致しなければたとえ都市ガス同士でも機器を使用することが出来ません。
都市ガス同士の乗り換えの時は、事前にガス事業者にガスの種類を確認して、出来れば同じガスの種類を使用している事業者同士の乗り換えならば、買い換えの負担を減らせます。

賃貸住宅でも乗り変えることは可能なの?

都市ガスから都市ガスに乗り換える場合、賃貸住宅でも問題なく乗り換えることが出来ます。
都市ガスを乗り換える時には特別な工事などは一切不要なので、今のガス導管を利用しての乗り換えが可能になります。
現時点ではまだ自由化されていないのでまだ手続きは出来ませんが、2017年の4月以降には大家さんや管理会社への報告も必要なく乗り換えが可能になります。
一方のLPガスの場合は、大家さんや管理会社がすでに決められたLPガスの事業者と契約していて、建物の所有者に事業者を選択する権利があるために、入居者が事業者を選ぶことは出来ないことになっています。
そのためにLPガスの場合は、賃貸住宅では乗り換えはすることが出来ないことになります。

賃貸アパートや賃貸マンションでも乗り変えることは可能なの?

賃貸アパートや賃貸マンションでも賃貸住宅のケースと同じで、都市ガスを他の事業者に乗り換えるのは入居者の自由で、好きなところに大家さんや管理会社の許可の必要も無く変更が可能です。
LPガスの事業者の乗り換えは、賃貸住宅同様に建物の所有者に事業者を選択する権利があるために、今の契約しているガス会社を勝手に変更して契約することは出来ません。
大家さんのOKが出れば乗り換えは出来ないことはありませんが、今のガス会社は大家さんに契約の便宜を図ってくれた見返りに袖の下が渡っている事が多く、OKが出る可能性は低く現実的には乗り換えは難しいでしょう。

分譲住宅や分譲マンションでも乗り変えることは可能なの?

分譲住宅や分譲マンションの場合、都市ガス・LPガスどちらでも乗り換えは可能です。
LPガスの場合は建物が自分の所有で無いと、契約するガス会社を選ぶ権利はありませんが、分譲住宅や分譲マンションであれば自分の所有なので、契約には支障は無く乗り換えが可能です。
分譲マンションの場合、以前に他の都市ガス会社がすでに供給を行って入れば問題はありませんが、まだガス導管が設備されていないと、新たに工事が必要となり乗り換えにはかなりの費用が発生してしまいます。
そのあたりを十分に考慮して乗り換えを検討してみましょう。

まとめ

都市ガスとLPガスは、ガスの種類が違うだけで無く、ガスの流通方法や販売価格など全く違うことが多いものです。
それだけにガス自由化は、よくそれぞれの特徴を理解してから乗り換えを検討して行かないと、電力自由化の時のように簡単では無い側面があります。
ガス料金の負担を少しでも少なくしてくれる可能性が高い他の事業者への乗り換えなので、しっかりと特徴を理解した上で検討してみるようにしましょう。

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