都市ガスのガス漏れ警報器の設置義務は?基準は?有効期限は?
2016/12/15
「ガス警報器って絶対に取り付けなくちゃならないものなの?」
「ガス警報器ってどこに行けば購入できるの?」
「今度アパートを引越しするんだけど、ガス警報器って誰の所有物なの?」
「ガス警報器ってどのくらいの期間で交換する必要があるの?」
「2017年4月から都市が自由化されるって聞いたけど、ガス警報器は何か影響はあるの?」
なんてあなたは思っていませんか?
ガス警報器は必要だとは感じているものの、器具自体は一体誰が所有者なのかいまいちわかりにくいですよね。
また火災警報器なら自分で取り付けた人も多いですが、ガス警報器はなんとなく自分で取り付けするのは勇気がいりますよね。
そんなさまざまなガス警報器の疑問についてお答えしましょう。
目次
ガス漏れの警報器って何?
ガス警報器とは、何らかの原因によって漏れ出したガスや、不完全燃焼によって発生した一酸化炭素(CO)を検知して、ガスや一酸化炭素の発生を警報する装置の事を言います。
その歴史は古く、LPガス用は昭和40年に発売が開始され、遅れて昭和55年に都市ガス用が発売され、都市ガス用は有効期限が昭和60年に3年から5年に延長されています。
都市ガスとLPガスで警報器は違うの?
都市ガスはメタンを主な成分とする天然ガスで、液化天然ガスが大半を占めている空気より軽い性質があるガスです。
一方のLPガスはプロパンやブタンを主な主成分とした液化石油ガスで、空気よりも重い性質があります。
共に無味無臭ですが、ガス漏れの時に気付きやすいようにと臭いがつけてあります。
このように都市ガスとLPガスは、同じガスでありながらも全く性質の異なったガスであるために、警報機もそれぞれのガス栓用の機器を使用する必要があります。
警報器の設置義務はある?
安全のためにも設置した方が良いガス警報器ですが、法的にはガス警報器は設置義務はあるのでしょうか?
警報機の設置基準にはいろいろと難しい条件が付いていて、なかなか理解しにくいところがあるので、その点をご説明しましょう。
そもそもなぜ警報器が必要なの?
ガス漏れ事故の原因として上げられることのほとんどは、「ガスを消したつもり」「ガス栓を閉めたつもり」「直ぐに戻るつもり」といったような、うっかりミスとなっています。
そういったうっかりミスが原因による重大事故を、事前に知らせて防いでくれる役割を果たしてくれるのがガス警報器です。
ガス警報器工業会が以前行ったアンケートによると、2,489世帯中535世帯で鳴ったという結果でガスの利用世帯数は5,200万世帯なので、単純計算では470万世帯で警報が鳴ったことになります。
しかし実際にはそのように多くの事故は発生していないことを考えると、事前に警報器によって未然に事故を防いだとも言えます。
警報器を設置していれば安心してガスを使用できるので、そのためにも警報器は必要と言えるでしょう。
警報器の設置基準は?
ガス警報器の設置基準は住居の形態・ガス栓の種別・器具の安全装置の有無などによって決められます。
基本的に3世帯以上の集合住宅の場合は設置義務の対象になりますが、屋外に燃焼器具がある・ガス管がねじ接続され立ち消え安全装置完備などの状況の場合は対象から外れます。
例えばビルトイン型のガスコンロならガス管にねじで接続され、コンロ自体に立ち消え安全装置がついていて、その他に屋内にガス器具が無ければ設置対象では無くなります。
立ち消え安全装置は最近のガスコンロにはほぼすべて設置されていて、ビルトイン型のガスコンロもねじ接続が当たり前なので、実際の所ほとんどの世帯は設置義務の対象にはならない訳です。
とはいえ、そういった機器を使用しているから絶対ガス漏れや一酸化炭素の発生がおきない保証は無く、より安全のためにもガス警報器は設置しましょう。
都市ガス用のガス漏れ警報器はどこで購入可能?それともリースなの?
都市ガス用のガス漏れ警報器はインターネットなどでも問題なく購入できる他、ホームセンターなどでも取り扱いがあります。
またガス会社でも斡旋して販売しているところがほとんどで、東京ガスで販売しているケースでは現金販売価格が15,000円ほどで、リース利用金として月額350円ほどでも提供しています。
東京ガス以外のガス会社も同様にガス漏れ警報器は斡旋していて、ガス料金に含めてのリース契約が便利と勧められるケースが多くあるようです。
もちろんガス警報器を契約しているガス会社から必ず購入しなければならないような決まりは無いので、自由に好きなところから購入しても構いません。
ただ購入するときには、必ずガスの種類や設置場所などを確認してから購入しないと、まったく役に立たないものを購入してしまっても困るので注意しましょう。
ガス漏れ警報器の価格ってどのくらい?
ガス漏れ警報機の価格は、ガス漏れだけに反応する一番安価な1センサータイプなら3,000円台くらいから発売されています。
一酸化炭素や火災も合わせて検知できる3センサータイプなどになるとやや高価になりますが、それでも15,000円以内ほどでは購入できるようです。
購入するときには、それぞれの用途にあった警報器を選んで購入するようにしましょう。
こちらは住宅用の都市ガスのガス漏れ警報器になります。
Amazonでしたら6000円ほどで購入できます。
ガス漏れ警報器を購入したら必ず都市ガス用のテストガスでちゃんとブザーが鳴るか確認しましょう。
万が一、初期不良でブザーが鳴らない物がある可能性があります。
こちらのテストガスがおすすめです。
警報器に種類ってあるの?
燃料ガスそのものだけを検知する1センサータイプ、燃料ガスと一酸化炭素の2つを検知する2センサータイプ、燃料ガスと一酸化炭素に加え、火災の発生も検知する3センサータイプが発売されています。
また緊急時に警報音がブザー音だけが鳴るタイプや、最近では「警報音♪ガスが漏れています!」や「警報音♪空気が汚れています!換気してください!」など警報音と音声で知らせてくれるタイプも発売されています。
中には外部機器に接続することで、万が一の時には契約しているガス会社に自動的に通報され、途中に接続されているガスメーターでガスの供給を停止できる機能が付いているタイプも出ています。
警報器は自分で取り付けるの?
ガス警報器の取付は、専門の業者や資格を持っている人で無いと取り付けられないという決まりはありません。
したがって自分で取り付けしても大丈夫ですが、ガス警報器は機種によって取り付ける場所が違う場合があります。
ガス警報器の取扱説明書に詳しく適正な取付場所の記載があるので、よく呼んでから取り付けるように注意しましょう。
自分で取り付けるのに自信がないなら、契約しているガス会社に取付依頼するのが無難でしょう。
警報器はどこら辺に取り付けるの?
都市ガス用のガス警報器の場合、ガス器具が設置している同じ部屋で、天井より23~30㎝以内、ガス器具から8メートル以内に取り付けるのが正しい取付位置です。
LPガス用のガス警報は器は、ガス器具が設置している同じ部屋で、床面よりも30㎝以内、ガス器具から4メートル以内に取り付けるのが正しい位置になります。
どちらの場合も、この条件でより点検しやすい場所に取り付けます。
賃貸マンションやアパートならどうなるの?
賃貸マンションやアパートなどを退居するときに、一番どうしたらいいのか判断に困るのが警報器ですよね。
ガス会社からのリース品だったり管理会社の負担で取り付けている物だったりで、外して持って行けるのか、そのまま残して良いのかが変わります。
でも実際ははたして警報器は住人負担なのでしょうか、大家負担なのでしょうか。
警報器を設置する場合は住人負担?大家負担?
ガス警報器の負担は、賃貸の場合の住人負担か大家負担かの明確の決まりは無く、大家さんによって対応がバラバラですが、どちらかというと住民負担で設置しているところが多いようです。
中には賃貸の契約条件の中に、住民負担で警報器の取付を義務化しているケースもあるようですが、一方では大家さん負担で警報器をはじめから取り付けていることもある様です。
警報器も買取になってる時とリース契約とでも所有者が違い、後々問題になる危険があるので入居や退居する前に、必ず大家さんや管理会社に確認しておきましょう。
警報器の交換期限(有効期限)は?
基本的に現在生産されているガス警報器は交換期限は5年間としていますが、火災報知器などが10年間になっている物もあることを考えると、ちょっと短い感じがしますよね。
これはガス警報器の場合、ガスを感知するセンサー部の感度劣化を想定して、5年間が一つの目安とされているようです。
もちろん5年間を過ぎたら全く使えなくなるわけでは無く、10年間使い続けても問題なく使えるかもしれませんが、確実にセンサーが作動して動作を保証する期間を5年と定められています。
安心して警報器を使用するためにも、5年という交換期限をしっかり守って使用するようにしましょう。
火災警報機の場合は、動作用の電池の寿命と比例しているので、10年間の交換期限としているタイプもあれば2年間と短い交換期限のタイプもあります。
警報器の製造時期はどうしたら分かるの?
ガス警報器の本体には必ず交換期限がわかるように、ラベルが貼られています。
その貼られているラベルを確認すると、いつ製造されて交換時期がいつなのかが確認することが出来ます。
中には貼られていたラベルがはがれて無くなったり、文字がかすれて確認できなかったりするケースもあると思いますが、そんな時には必ず今契約しているガス会社に相談してみるようにしましょう。
また製造時期は確認できなくても、製造メーカーや型式がわかれば、メーカーに直接確認してみるといつの製造かがわかる可能性がありますので、問い合わせてみるのも良いでしょう。
警報器の音がうるさいんだけど音量調整は可能?
警報器の音の高さはめざし時計と同じ位で、昼間でも深夜でも聞こえるように70㏈以上と音量設定されています。
音がうるさいからと音を低くしていて、万が一ガス漏れが発生しても音が低くて聞こえなかったら大変な事になってしまいますよね。
そのようなことにならないように一定の音の高さに設定されているため、音量調整は出来ない作りになっています。
ガス漏れを警報器が感知したらどうなるの?
普段鳴ってはいけないはずのガス漏れ警報器が突然鳴りだしたら、誰でも慌ててしまいますよね。
でもそんな時はどのような対応をすれば良いのか、普段から心がけておくことが大事です
ガス漏れを感知したらどの様に行動したらいいの?
まずガス警報器が鳴り出したら、室内で使用している火をすべて消しましょう。
その時に注意すべき点としては、換気扇が照明のスイッチやコンセントを使用すると、ガスに引火する危険があるので絶対に触らないようにする必要があります。
もし換気扇が既に回っている状態であれば、スイッチ類には触れずにそのままにしておきましょう。
ガス警報器は窓を開けて自然換気すれば警報音は止むので、慌てずに鳴ったままにして絶対にコンセントを抜いたりしないようにします。
火を消したら、ガス器具の元栓やガスメーターに取り付けしてある元栓をしっかりと閉めます。
扉や窓を開けて部屋の換気を十分に行い、契約しているガス会社に連絡します。
その後の指示はガス会社の方に状況を確認してもらい、安全が確認できてから部屋での器具使用を再開しましょう。
警報器の電源プラグや予備コンセントの正しい使い方は?
ガス警報器は、24時間作動し続け万が一の時の災害を未然に防いでいます。
そのためにもガス警報器を使用するために付けているコンセントは絶対に抜かないようにして、どうしてもコンセントの予備が空いてない時には警報器のプラグ側面にある予備コンセントを使用しましょう。
一番危険なのは一時的に掃除機などを使用するために警報器のコンセントを抜いてしまい、そのままコンセントを入れるのを忘れてしまうことです。
そうなると警報器は当然作動しなくなり災害の危険性が高くなるので、普段からガス警報器のコンセントは抜かないように心がけておくことが大事です。
予備コンセントを使用する時は、ガス警報器のコンセントをしっかりと奥まで差し込んでいるのを確認し、他の電気製品のコンセントを予備コンセントの奥までしっかりと差し込みます。
しかし予後コンセントは、うっかりコンセントを抜いてしまうことを防ぐ目的の簡易的な物なので、一時的な利用だけにするようにしましょう。
都市ガスの自由化で警報器はどの様になるの?
現在の都市ガス会社は公共料金という位置づけのため、契約者へ付加価値の付いたサービス等の提供はほとんどありませんでした。
ガス警報器についても、契約者に対してガス料金とはまったく別に料金を徴収しているシステムを取ってきました。
しかし今後都市ガスが自由化され、新規参入の新しいガス会社のサービスの一環として、今までの都市ガス会社ではやっていなかった、無料レンタルや格安斡旋販売などさまざまなサービスが考えられます。
価格だけでは他の都市ガス会社と大きく差別化するのがなかなか難しいだけに、このように顧客サービスの一環としてガス警報器をサービスの手段として提供してくることは十分にあるでしょう。
契約者としてはそのような状況になるのはありがたいことなので、是非実現してもらいたいところですよね。
さいごに
ガス警報器についてのさまざまな疑問についてご紹介させて頂きました。
2017年4月には都市ガスの小売完全自由化が行われれば、都市ガスについて注目されることも多くなり実際に他のガス会社へ変更される方も増えていくことでしょう。
そんな時に大事な事がガスを安全に使用することで、そのためにもガス警報器は不可欠なアイテムです。
皆さんもガス警報器について、正しい知識を身につけてみてはいかがでしょうか。